家に帰って夜ご飯を食べていると、あのイケメン?の蓮お兄さんが話しかけてきた。

「おい、明日、ちゃんと見に来いよ!感想聞くからな。」

『はいはい。みんなで行くから。』

ニヤニヤしながら見てくる蓮に軽く返事をした。

なんなのこいつ、自分がイケメンって言われてるからって。

もうっ!なんかうざい。



次の日、みんなで体育館に向かうと入り口に人が溢れていた。

しかもそれは、ほぼ女子生徒だった。

え、まさかこれみんなバレー部見に来た人なのかな……?いや入れないじゃん…。

ちがう方の扉から入るとサーブ練習をしている2年生と思われる人たちがいた。

うわ、結構人数いるんだな…。


そんな中でも一際目を引く人物が。

『あ、あの人だよ!あのミルクティーカラーの人!』

んんー、向こう向いてて顔がよくわからない…。

視線を感じてこっちを見ると、兄と目があった。

…そしてなぜかニヤニヤしている。

うわ、絶対なんか企んでるじゃん。

マネージャーの人とはなんかこそこそ話してるし…。

「集合ー!次、スパイクの練習します。」

マネージャーの人が指示する。

部員が1列に並ぶ。

あらあら。うちの兄はちゃっかり1番前にいるようだ。

あ、後ろにいるのは、確か…一ノ瀬?先輩だ。


先輩が不意にこちらを向く。

白い肌、くっきりとした二重、高い鼻、ふわっと揺れる髪。

うっっわ、すっごくかっこいい…。近くにこんな完璧すぎる人がいたなんて…。


そう思っているうちにアタック練習が始まる。

兄が、ボールを打つと女子たちの目がハートになる。

『キャーーー!』

…やはり兄の人気ぶりに関しては、いつになっても納得できないなぁ。