あれから数日が経った。

私の視界に見えるものは真っ白なものばかり、心電図はいつも鳴ってて、窓から見える中庭の木をぼーっと眺める毎日だった。

瀬野先生は薬の調子が良かったら中庭に散歩に行けるとは言ってたものの、私の体調は日に日に悪化するばかりで、お兄ちゃんも一向にアメリカに帰る気配もなく、、、私を見にくる瀬野先生も、大輔もなんかピリピリしていた。
私を怒らせないように、、、泣かせないように、、、当たり障りもない話をしていてる。

私だって、そのくらい気づく。もうそろそろなのかな。。。と思ってまた朝がくる。

変わらない生活、そう。私が中学生の時のように...また振り出しに戻ったみたいな感じ。

そう思いながら私は大きなため息をついた。

コンコン...ガラガラ...
瀬野先生「今日の気分はどう?」
優しく微笑みかけてきた。

なみ「変わらないよ。」

瀬野先生「そっか、じゃぁ診察させてね。」
と言い聴診器で私の心臓の音を確認した。
.....
瀬野先生「よし!おわり。最近なみがわがまま言ってこないから俺寂しいな〜。。。」
笑いながら言ってきた。

なみ「ははは。私そんな問題児じゃないし」

瀬野先生「ははは、何言ってんだよ。この前点滴抜いて倒したの誰だよ!!」

なみ「ははは、私か。」

すると、瀬野先生は急な真面目な顔になって、
瀬野先生「辛かったらちゃんと言えよ?なみがどんなこと言っても俺は、なみを助ける以外は選択しない。」

なみ「大丈夫だよ。でも、別に死のうなんて今思ってないけど、そろそろ勝手に死ぬよ。ははは」

目には涙が溜まっていて、瀬野先生には気づかれないように、作り笑いをした。

その瞬間瀬野先生に抱きしめられた。
あ、瀬野先生の服の匂い懐かしい、、、って思ったら涙が止まらなくなってしまった。

なみ「私いつ死んでも良いって思ってた。。。ずっとそうやって生きてきた。でも、、、、やっぱり、まだ生きたいよ。。。」

瀬野先生「お願いだ、移植に同意して欲しい...もうこれは、主治医としてじゃない。なみのことが好きだから、、、本当にずっと一緒にいたいと思ってるから、お願い。」

なみ「え?」
私は動揺していた。まさか、瀬野先生から好きって言われると思ってなくて。瀬野先生胸に顔を埋めていたがパッと顔を上げた。

瀬野先生「もう我慢でき無くて言っちゃったよー!!俺じゃダメ??」

なみ「え?え?、、、ダメじゃないけど、、、私そんな長生きしないよ?、、??」

瀬野先生「だから移植するんだよ。これからの人生のために。まぁ、移植したからって、薬とかが無くなるわけじゃないからな。まぁ、俺がいたら安心だろ??」

なみ「ん、、、うん....じゃぁ、、、もし、移植できて、その手術が成功したら、、付き合ってください。」
咄嗟の出来事に、私も混乱して自分でも何言ったかわからなくなっていた。

瀬野先生「わかった。手術は俺が絶対成功させる。」

まぁ、そうは言ったものの、そんなに早く移植ができるわけでもなく、、、、