2000年春
佐々木 詩穂(ささき しほ)は高校3年生になった。
いつも一緒に昼食をとる仲良し6人のうち、3人一緒のクラスになった。
担任の先生も、学校の先生の中では好きな方に入る、
カネちゃん・・・こと金本先生。
不満といえば、2年生の頃、友達に無理矢理入部させられた部で、部長になったこと。
詩穂を無理矢理入部させた子は、詩穂の入部とともに部活を去った。
詩穂の後から聞いた話だと、1人入部させれば、辞めても良いと、先輩が言ったのだのだとか。
その部とは、簿記部。
5人以下なら同好会扱いで、部費その他何も出ないのだ。
詩穂が入部した時は6人。友達が去ったことで、5人。
簿記部は部のまま成立した。
先輩2人が卒業した後、なんだかんだで、2人入部して、5人になった。
今年の4月から、3年2人、2年1人、1年2人となった。
想像はつくだろうが、3年2人でじゃんけんして、勝った方が部長、負けた方が副部長となった。
あえて言わせてもらうが、3年2人は、負けを望んでじゃんけんをした。
結果、詩穂が勝ち部長となった。
ちなみに、詩穂の簿記部入部前の成績は、壊滅的に悪い。
テストでは平均以下。100点満点のテストでも50点を超えたことがない。
それが、平均点取れるようになったことは、簿記部に感謝すべきことであるが、
当の詩穂は感謝すらしていない。
部長のくせに幽霊部員となっている。
詩穂に言わせれば
「簿記なんて、嫌いやし!!他校の友達に何部って聞かれて、簿記部って答えたら、絶対、え?って聞き返されるんで?ヤやわ!!しかもその部長なんて!!」
ということである。
それなら、無理矢理に辞めれば良いようなものであるが、無理矢理辞めるようなことはしなかった。