嫌な沈黙が俺を包み込む────。




「して、話とはなんだ」




 いつ会っても爺は威圧的だ。

 目の前に座る母さん、爺、父さんを見て息を呑む。言葉が喉につかえる俺の手に、瑮花の手がそっと添えられた。思わず瑮花を見れば力強く頷いてくれる。

────そうだ。俺には瑮花が……。

 そう思った時、大きな手が背に添えられる。右隣を見れば徳兄も笑ってくれていた。

 ……2人がついてる。

 折れそうになった心を支えられ、俺は真っ直ぐに爺を見た。




「今世間で起こっている怪奇事件、先日その原因である霊魂と出会いました」




 俺が敬語を使ったのを見た爺の目が、わずかながら細められる。母さんも父さんも、口を引き結んで話を耳を傾けてくれた。

 俺がかしこまる時……それは神の力を前にする時だ。




「その霊魂は肥大化し……たぶん、神慈職(かんじしょく)では手が負えないでしょう」

「……うむ。現にここ最近では、原因不明の精神異常や、体の不調に悩まされた者達からの依頼が絶えん」




 爺は説得できそうだ。このまま父さんも……──。




「その霊魂が原因と言うならば、宗徳」