瑮花の瞳から光が消え失せたかと思えば、相手が言い終わらないうちに、そのみぞおちめがけて肘がめり込んだ。
「瀬奈! 大丈夫!?」
「テメー……!」
膝をつき腹を押さえる男を目の当たりにして装飾品の男がその胸ぐらを掴もうと近づいた。
辺りには騒ぎを聞きつけてか、次第に人が集まって来てしまう。異変に気がついた宗徳も話し相手に断りを入れ、瑮花の元へと駆けた。
「瑮花!!」
しかし瑮花は胸ぐらを掴まれる直前に男の手首と腕を捻り上げ、その場にねじ伏せてしまう。
それには宗徳も目を点にし、愕然とする他なかった。
2人の男が呻く中、瑮花は冷ややかな視線を投げかけると宗徳に向き直り、「行こ」と手を引き歩き出す。しばらく歩き、先程の場所よりも比較的の人の少ない小さなテラスへ腰かけながら、やっと宗徳が沈黙を破った。
「あ~……その、ごめん……」
小さく空に溶け入りそうなその声に、瑮花は振り向きながら「なんで?」と素知らぬ顔をする。
「オレがお前を置いてったから……すぐ戻るつもりやってん……」
らしくもなく項垂れてそんな言葉を口にする宗徳を見て何度か瞬きをし、瑮花は喉で笑いだした。すぐに笑われていることに気がついた宗徳は、顔を上げ怪訝そうな顔をするも、瑮花はそれを見てさらに大きな声で笑い出してしまう。
