「そっか。あたしちょっと余計なことしちゃったね。君があたしの妹に似てたから、つい……」
「妹さん、今はいないんですか?」
「……うん、県外に住んでてあんまり会えてなくて。あ、君がよければなんだけど途中まで一緒に帰ってもいいかな?」
「えっと……はい」
少女は一度手首についている時計を確認してから柔らかな笑顔を見せる。最初こそ警戒していた少女もすっかり懐き始めていた。
「あの、わたし由海って言います。お姉さんは……」
「あたしは瑮花。こっちは兄貴の……──」
「宗徳って言います」
「3人兄妹ですか? すごく、賑やかで楽しそうですね」
「ま、まぁ……そうね」
瑮花が複雑な顔をして宗徳を見上げると、宗徳も同じく目で何かを訴えている。
そんな2人のやり取りなど露知らず、少女は目を伏せて話し出した。
「羨ましいなぁ……わたし、ひとりっ子で。きょうだいがいるのって憧れなんです」
少女の両親は共働き。きょうだいもいない少女はいつも独りなのだと言った。瑮花にすぐ懐いたのも、気さくに話す彼女が姉のような存在に思えてしまったからだろう。
「ところで、あの写真の子の話、聞いてもいい?」
さりげなく振った話題。けれどそれが本題だ、とでも言うように2人は互いに目配せした。
