「……つまり?」

「離脱して記憶のない雨香麗ちゃんと話すより、実際に雨香麗ちゃんの家族とかに会って話ができれば、何か解決に繋がらないかな」




 その手は考えてもみなかった。この方法で探せば、解決の糸口が見つかるのかな。

 言われたことに対して頭を悩ませていると瑮花は立ち上がり、襖に手をかけた。




「情報の収集はあたしの方でもやってみる。ほら、あたし霊感全くないでしょ。代わりといっちゃあれだけど……」




 もうすっかりいつもの調子を取り戻した瑮花は「家の神社、人の出入りだけは多いから」と笑った。

 ……頼もしいな。瑮花にはいつも助けられてばかりだ。




「瑮花……ほんと、ありがとう」

「いいって。柴樹はしっかり体休めといてよ!」




 そう言って瑮花は駆け足で部屋を出て行った。

 俺にもなにかできることをしよう。雨香麗を救うために今の俺にできること……。




「……朱紗。力を、貸してくれないか」




 その場に座禅を組み、問いかける────。