冷たい声が、針のような言葉が、俺の胸に刺さる。

 俺の……せい?




秀兄(しゅうにい)は……秀兄(しゅうにい)が死んだんは、事故やって……」




 突然だった。秀兄(しゅうにい)の死を知らさせた時、何も考えられなくなってしばらく死を受け入れることができなかった。
 皆はそんな俺を慰めるように事故だったんだ、と、しかたなかったんだと、言い聞かせた。

 それなのに……秀兄(しゅうにい)が死んだのが、俺のせい……?




「皆はお前が神柱(かみばしら)やからって、黙っとったらしいけど……紛れもない、お前のせいで死んだんや」

「ど、どういう……」




 皆が隠してた? 俺が〝神に愛された者〟だから……?

 状況が呑み込めない。

 そんな俺の顔を見て宗兄(かずにい)はとりあえず戻れ、と布団まで肩を貸し、自らもそのそばに腰を下ろして口を開いた。




「兄貴は……お前が引き寄せる霊魂(れいこん)全てを祓ってた。四六時中や。お前が神柱(かみばしら)やから……必要以上にアイツらを引き寄せるから」




 一度俺のことを睨み、宗兄(かずにい)は続ける。




「それが9年間。能天気なお前はそんな苦労、知らんかったやろなぁ。結果、何が兄貴を待ってたと思う?」