そして


「遼…緊張するよ。」

昨日から緊張しずぎて夜も眠れませんでした

「美緒…」

運転している遼が

「普通にしてれば問題ないよ。」

私が普通じゃないって言うの?

はぁー。

そして、あっという間に着いてしまい

「俺、先に入るから」

私は頷き、事前に買っておいた手土産を手に持った

「母さん、父さん。」

あ、緊張する

「あら、遼。帰ってきたのね。それと、隣の方が美緒さん?」

お母さんが出てきた

「は、はい。はじめまして。遼さんとお付き合いさせていただいています。宮本美緒です。」

私は緊張しながら答えた

するとお母さんが

「緊張しなくていいのよ。とりあえず、上がって。」

私は遼の後ろをついていった



「お、遼。」

お父さんが来た

「父さん。ただいま。」

遼はいつも通りなんだ。きっと私の家族に行く時も緊張したんだろうな。

「こちらが美緒さん?」

そう言われ遼が

「あぁ。」

私は

「初めまして。遼さんとお付き合いさせていただいている宮本美緒です。」

私はそう言った

それと

「つまらないものですが、こちらを。」

私は手土産を出した

「おー。ありがとう。」

そして、付き合った経緯の話に

「それにしても、遼。どうやって付き合ったんだ?」

遼は

「美緒は、元患者だよ。」

するとお父さんが

「そうなのか。」

「美緒はな、事故にあって右手がないんだ。
主治医として入院生活共にしてきたけど、わがままで手を焼いた。」

私は

「遼…」

そんなこと思ってたの。ごめんなさい。

「でもな、治療には人一倍努力してた。時間には厳しくて、リハビリも真面目にやって、院内学級に毎日通っていた。早く学校行きたいって病院なんか息苦しいとか言ってな。思ったより早く退院して。俺が元気をもらえたんだ?」

涙が出そう

「子供好きだから面倒見もいいんだ。今は大学で教師の勉強をしてるんだ。父さん、、、
俺は、美緒と出会えてよかった。美緒にとっては最悪かもしれないけどな。」

遼はそう呟き笑った

たしかに事故に遭わなければ出会えていなかった存在だからね

私は正直に

「お父さん。私も遼さんと出会えてよかったです。遼さんは入院期間中、いつも厳しくて私は叱られてばかりでした。こんな身体になってしまったせいで…って私は現実逃避をしました。それでも、そばで支えてくれました。厳しくても優しさ温もりをくれました。私も遼さんが好きになりました。誰かの為に自分のことあと周りにしてまで寄り添うとこに、、入院期間中の私は自我を忘れていたくらいなのでほんとに感謝してます。」

自分の気持ちを伝えると

「美緒さん。」

お父さんに呼ばれた

「はい。」

「遼にはね、、ほんとは兄がいたんだ。」

兄がいたってことは

「遼が小学2年生の時に、交通事故で亡くなったんだ。」

そんな、、、今まで知らなかった

「それから、遼はな、心を閉ざすようになった」

遼…