夜が明けていく。

スタジオに来てからしばらく経ち、外はすっかり雨が止んでいた。

家族以外の人とこんなにも話をするのは久しぶりだった。

“あの事”があってから、私は他人と関わるのが怖くなった。

両親とも本当の意味では上手く関われていない。

でも、今はそれで良いと思っている。

今日みたいに両親に八つ当たりしてしまうぐらいなら、周囲から腫れ物のように扱われたままで・・・・・・。

ただ、彼らと出会って彼らの音楽と出会って、“私もいつかまた・・・・・・”とほんの少し勘違いしてしまいそうになる。

そんなこと無理に決まっているのに・・・・・・。

感情的になって家を飛び出して来たけれど、彼らと過ごすうちに冷静になれた。

「ねぇ、本当に家まで送らなくて大丈夫?夜遅いし危ないよ」

ボーカルの人は夜道の一人歩きは危険だと心配してくれていたけれど、私の自宅は著名人が多く住む住宅街にあって、親が一般人でないことが安易に想像できてしまう。

「家はすぐ近くですし、人通りのある道を歩くので大丈夫です」

「本当に?ん〜じゃあ、心配だから家に着いたら連絡くれる?・・・・・・スマホ貸して、俺の連絡先登録しとくから」

「分かりました。家に着いたら必ず連絡します。今日はありがとうございました!」

バンドの皆さんにお礼を伝え、私は家路についた。