夜が明けていく。

着替え終え、メンバーの皆さんが目の前に揃っても尚、私の頭は混乱していた。

場違いなようで居た堪れない気持ちになっていると、突然“パン!”とメンバーの1人が手を叩いた。

「よし!じゃあ、とりあえず音合わせしようか。君は雨が止むまでそこで聴いてて良いよ!」

「えっと・・・・・・皆さん、お邪魔してしまってすみません」

私は申し訳なくなり、必死で頭を下げた。

「俺が連れて来たんだから気にしないで。いつもライブ来てくれてるでしょ。あとで、曲の感想聞かせてよ」

ボーカルの人がそう言って優しく微笑むと、ドラムスティックの“カッカッカッ”というカウントが始まり、優しく微笑んでいたボーカルの人の表情が一気に力強い表情に変わった。

いつもライブで見ていたけれど、こんなにも間近で見るのは初めてだった。

ギターやベース、ドラムの音が全身を駆け巡り、ボーカルの歌声が頭の中に響く。

体の奥底から沸々と何かが湧き上がるようで、私は瞬きも忘れるほど目の前の光景に心が奪われた。

私の頭の中に、たくさんの文字が浮かび上がる。

次々と言葉が紡ぎ出され繋がれ、曲の世界観が完成していく。

彼らが作り出す曲や歌詞、その全てが“物語”だった。