俺がお前のこと可愛がってやるから

あの後も私は泣き続けて、結局デートは出来なかった。瑠衣くんには本当に申し訳ない。
でもずっと私が落ち着くまで抱きしめてくれていた。そして、帰りもわざわざ家まで送ってくれた。

今日も重い体を起こして学校へ行く。

「おはよ!」

いつも通り花ちゃんが挨拶をしてくれる。

「おはよう!」

昨日のこともあってか、男子の事を少し避けてしまう。というか、体が先に拒否をしている。完全にトラウマになっちゃったなぁ…

「瑠々元気ないけどなんかあった?」

花ちゃんにはバレちゃうか…

「最近疲れてて」

理由は伏せた。花ちゃんには隠し事をしたくないけど、昨日の話をしたらまた涙が溢れてくる気がしたから。

「そっか。よく寝てよく食べること!!」

「そうだよね!!ありがとう!」

「瑠々おはよ」

「春澄おはよ」

やっぱり春澄でもちょっと避けてしまう。

「瑠々熱あるんじゃないか?」

そういって、私の額に触れようとする。その手を私は払ってしまった。

「瑠々ごめん」

「あ…私こそごめん」

「やっぱり瑠々今日おかしいよ」

「俺も陽川と同じこと思ってる」

「だって今まで春澄くんの事避けるとか無か
 ったのに」

「瑠々色々あったんだな」

「2人とも迷惑かけてごめんね…」

「迷惑じゃないよ!ね!春澄くん!!」

「逆に瑠々はもっと頼った方がいい」

「2人ともありがとう…!」

瑠衣くんにしろ、花ちゃん、春澄…みんな優しいなぁ…私の変化に気づいて助けてくれる事が本当に嬉しかった。でも、助けてもらってばっかはダメだから私ももっと頑張らないとなぁ。

そして、何とか学校が終わるまで頑張る事ができた。放課後になり、みんなは部活に行ってしまった。

「そろそろ帰るか…」

椅子から立ち上がった瞬間

「瑠々大丈夫か?」

「瑠衣くん!!」

なんか瑠衣くんを見た瞬間元気がでてきた。

「一日中瑠々の事心配で」

「私は大丈夫だよ!」

「瑠々はほんとに頑張り屋さんだね」

瑠衣くんは私の頭を撫でてくれた。春澄でも触られたら避けちゃったのに、瑠衣くんだけは大丈夫…。これはなんの違いなんだろう。私が気づくのはもう少し後の話。

「瑠々一緒帰るか?1人じゃ怖いだろうし」

「一緒に帰る」

「素直な瑠々も可愛すぎ」

「///」

「瑠々顔真っ赤」

「あんな事言われたら照れちゃうもん」

「反則。早く俺のものになればいいのに」

「瑠衣くんにはもっといい人がいるって!」

「なんと言われても俺は瑠々がいい」