瑠々side
毎日、当たり前のように学校に通って、家に帰る、そんな平凡な日々が好きだ。お恥ずかしながら、彼氏がいるどころか、恋すらした事がない私…私が通う雅(みやび)学園には全女子からチヤホヤされる王子様が!!でも、私はその人のことがとてつもなく苦手。なぜ、女子達が騒いでいるのかが分からない。
「おはよ!!」
今、声をかけてくれたのは『陽川 花(ようかわ はな)』こと花ちゃん。私の大親友。
「おはよう!!」
「今日も相変わらず瑠衣くん騒ぎだね」
花ちゃんがいう瑠衣くん騒ぎとは、雅学園の王子様『黒羽根 瑠衣』を見つけると女子が騒ぎだすこと。でも、私は1回も瑠衣くん騒ぎに参加したことは無い。まず、黒羽根君に興味をもったことは一度もない。
「瑠々!私達も瑠衣くん見に行っちゃう?」
「私は興味ないからいいよ」
「だって学園の王子様だよ?」
「確かにそうだけど、私は興味無いんだよ
ね」
「見てみたら意外と好きになったりして」
「絶対ないよぉ」
「じゃあ行ってみようよ!」
「花ちゃんがそんなに言うなら…」
花ちゃんの押しに負けて、初めて黒羽根君を見に行くことになった。1回だけ靴箱で黒羽根君を見かけたことがあるのだが、確かに顔はとても整ってる。なんなら、モデルよりもかっこいいかも。でも、私は黒羽根君が苦手。特に理由はないんだけど、なんとなく関わりづらい人種という感じがした。まぁ、普通に生活してれば学園の王子様と関わることなんて無いんだけど。
黒羽根君は私達と同じ高校2年生。しかし、クラスは違う。私達は2組で、黒羽根君は3組。だから、隣のクラスは毎日お祭り騒ぎになってる。
気づけば、花ちゃんと一緒に3組の前まで来ていた。
「凄い人だかりだね」
「でも瑠衣くんは女子に冷たいんだって!」
「そうなの?!」
「噂では好きな女の子がいるからとか」
「あぁ見えて誠実なのかなぁ」
「そうかもね」
黒羽根君はふわっとした茶髪に今流行りのセンター分け。高身長で何もいうことはない程完璧。いかにも、チャラ男に見えるが、実際そうじゃないみたい。
「私、瑠衣くんに話しかけたいなぁ」
「花ちゃん本気?!」
「話すぐらいはしてみたいけど」
「私は絶対に無理」
「まぁ女子とは絡まないし無理か!」
「でも花ちゃん可愛すぎるし、私だったら話
しかけられたら1発KOだよ」
「瑠々こそ可愛すぎるくせに」
花ちゃんは本当に超がつくほどの美人さん。小柄で、髪色はミルクティー色。はながたかくて、目はクリックリ。花ちゃんの顔はほんとに憧れ。私なんか比べ物にならないよ…
「そろそろ教室帰る?」
「人も多いしね」
トントン
誰かに肩を叩かれたので、後ろを振り返る。そこに居たのは黒羽根君だった。
「白星さんだよね?」
「そうですけど…」
「隣の子はお友達?」
「はい」
すかさず花ちゃんが
「陽川花です」
「陽川さんよろしく」
「もう死ねるかも」
「花ちゃん大袈裟だから」
「でも瑠衣くんはなんで瑠々に声をかけた
の?」
「今、ハンカチ落としたから」
「え!私、ハンカチ落としたの?!」
ポケットを探ってみても、ハンカチはない。ということは、落としたのか。
「はい、白星さんのハンカチ」
「ありがとうございます!」
「いえいえ。もう落とさないようにね」
「気をつけます。では」
「ちょっと待って」
「何ですか?」
「白星さんめっちゃ可愛い」
「急になんですか?」
「この前靴箱で見かけた時から可愛いなぁっ
て思ってた」
「正気ですか?」
「俺は正気」
さっきまで周りにいた女子たちは黒羽根君が私と話していることに驚いていた。正直、私もこんなところで話すなんて思わなかった。花ちゃんも横でびっくりしてる。
「多分、俺白星さんに一目惚れした」
「そうなんですか。ありがとうございます」
「俺に好かれて何とも思わないの?」
『私、黒羽根君の事苦手なので』
言ってしまった。本人に向かって苦手だと。
「そんな事言われたの初めてだなあ」
「ごめんなさい」
「別に謝って欲しい訳じゃないし」
「ハンカチはありがとうございました。私、
教室に戻りますね」
「まだHRまで時間あるから」
「私は黒羽根君と一緒にいたくないので」
「好きな子から言われたら結構傷つくけどな
ぁ」
「私は好きじゃないので」
「俺、また白星さんのとこ行くから」
「もう来なくて大丈夫です」
「別にアタックするのは悪くないよね?」
「私はそんなの受け付けてないので。黒羽根君なら相手してくれる女の子沢山いるんじゃないんですか」
「俺は白星さんがいいんだけど」
「彼女とかいないんですか?」
「俺、今まで彼女とかいたことないけど」
「奇遇ですね。それだけは同じです」
「白星さんも彼氏いたことないの?」
「ないです。私、モテないですし」
「多分、高嶺の花なんだよ」
「それは絶対ないです。」
「じゃあ俺が白星さんの彼氏に立候補するか
ら」
「それは勝手にしてください。私は相手が黒
羽根君だろうと相手にしないので」
「そっか。俺は諦めないけど」
そういうと、黒羽根君は私の頭をポンポンして去っていった。その後、たくさん花ちゃんに説教を受けた。私が冷たくしてなかったら黒羽根君と付き合えたとかそんな話。でも、私は黒羽根君とは付き合いたいと思わない。苦手だし。黒羽根君の事が好きな女子達も私が黒羽根君に冷たく当たることに対して、びっくりしている様子だった。
毎日、当たり前のように学校に通って、家に帰る、そんな平凡な日々が好きだ。お恥ずかしながら、彼氏がいるどころか、恋すらした事がない私…私が通う雅(みやび)学園には全女子からチヤホヤされる王子様が!!でも、私はその人のことがとてつもなく苦手。なぜ、女子達が騒いでいるのかが分からない。
「おはよ!!」
今、声をかけてくれたのは『陽川 花(ようかわ はな)』こと花ちゃん。私の大親友。
「おはよう!!」
「今日も相変わらず瑠衣くん騒ぎだね」
花ちゃんがいう瑠衣くん騒ぎとは、雅学園の王子様『黒羽根 瑠衣』を見つけると女子が騒ぎだすこと。でも、私は1回も瑠衣くん騒ぎに参加したことは無い。まず、黒羽根君に興味をもったことは一度もない。
「瑠々!私達も瑠衣くん見に行っちゃう?」
「私は興味ないからいいよ」
「だって学園の王子様だよ?」
「確かにそうだけど、私は興味無いんだよ
ね」
「見てみたら意外と好きになったりして」
「絶対ないよぉ」
「じゃあ行ってみようよ!」
「花ちゃんがそんなに言うなら…」
花ちゃんの押しに負けて、初めて黒羽根君を見に行くことになった。1回だけ靴箱で黒羽根君を見かけたことがあるのだが、確かに顔はとても整ってる。なんなら、モデルよりもかっこいいかも。でも、私は黒羽根君が苦手。特に理由はないんだけど、なんとなく関わりづらい人種という感じがした。まぁ、普通に生活してれば学園の王子様と関わることなんて無いんだけど。
黒羽根君は私達と同じ高校2年生。しかし、クラスは違う。私達は2組で、黒羽根君は3組。だから、隣のクラスは毎日お祭り騒ぎになってる。
気づけば、花ちゃんと一緒に3組の前まで来ていた。
「凄い人だかりだね」
「でも瑠衣くんは女子に冷たいんだって!」
「そうなの?!」
「噂では好きな女の子がいるからとか」
「あぁ見えて誠実なのかなぁ」
「そうかもね」
黒羽根君はふわっとした茶髪に今流行りのセンター分け。高身長で何もいうことはない程完璧。いかにも、チャラ男に見えるが、実際そうじゃないみたい。
「私、瑠衣くんに話しかけたいなぁ」
「花ちゃん本気?!」
「話すぐらいはしてみたいけど」
「私は絶対に無理」
「まぁ女子とは絡まないし無理か!」
「でも花ちゃん可愛すぎるし、私だったら話
しかけられたら1発KOだよ」
「瑠々こそ可愛すぎるくせに」
花ちゃんは本当に超がつくほどの美人さん。小柄で、髪色はミルクティー色。はながたかくて、目はクリックリ。花ちゃんの顔はほんとに憧れ。私なんか比べ物にならないよ…
「そろそろ教室帰る?」
「人も多いしね」
トントン
誰かに肩を叩かれたので、後ろを振り返る。そこに居たのは黒羽根君だった。
「白星さんだよね?」
「そうですけど…」
「隣の子はお友達?」
「はい」
すかさず花ちゃんが
「陽川花です」
「陽川さんよろしく」
「もう死ねるかも」
「花ちゃん大袈裟だから」
「でも瑠衣くんはなんで瑠々に声をかけた
の?」
「今、ハンカチ落としたから」
「え!私、ハンカチ落としたの?!」
ポケットを探ってみても、ハンカチはない。ということは、落としたのか。
「はい、白星さんのハンカチ」
「ありがとうございます!」
「いえいえ。もう落とさないようにね」
「気をつけます。では」
「ちょっと待って」
「何ですか?」
「白星さんめっちゃ可愛い」
「急になんですか?」
「この前靴箱で見かけた時から可愛いなぁっ
て思ってた」
「正気ですか?」
「俺は正気」
さっきまで周りにいた女子たちは黒羽根君が私と話していることに驚いていた。正直、私もこんなところで話すなんて思わなかった。花ちゃんも横でびっくりしてる。
「多分、俺白星さんに一目惚れした」
「そうなんですか。ありがとうございます」
「俺に好かれて何とも思わないの?」
『私、黒羽根君の事苦手なので』
言ってしまった。本人に向かって苦手だと。
「そんな事言われたの初めてだなあ」
「ごめんなさい」
「別に謝って欲しい訳じゃないし」
「ハンカチはありがとうございました。私、
教室に戻りますね」
「まだHRまで時間あるから」
「私は黒羽根君と一緒にいたくないので」
「好きな子から言われたら結構傷つくけどな
ぁ」
「私は好きじゃないので」
「俺、また白星さんのとこ行くから」
「もう来なくて大丈夫です」
「別にアタックするのは悪くないよね?」
「私はそんなの受け付けてないので。黒羽根君なら相手してくれる女の子沢山いるんじゃないんですか」
「俺は白星さんがいいんだけど」
「彼女とかいないんですか?」
「俺、今まで彼女とかいたことないけど」
「奇遇ですね。それだけは同じです」
「白星さんも彼氏いたことないの?」
「ないです。私、モテないですし」
「多分、高嶺の花なんだよ」
「それは絶対ないです。」
「じゃあ俺が白星さんの彼氏に立候補するか
ら」
「それは勝手にしてください。私は相手が黒
羽根君だろうと相手にしないので」
「そっか。俺は諦めないけど」
そういうと、黒羽根君は私の頭をポンポンして去っていった。その後、たくさん花ちゃんに説教を受けた。私が冷たくしてなかったら黒羽根君と付き合えたとかそんな話。でも、私は黒羽根君とは付き合いたいと思わない。苦手だし。黒羽根君の事が好きな女子達も私が黒羽根君に冷たく当たることに対して、びっくりしている様子だった。