ヤキモチ彼氏

「すいません…次はちゃんと、一音一句聞き逃さないようにします…だから、もう一度説明を…」

「無理」

「ハイ………って、え?」


今、無理って言った…?


「用事、出来たんだろ?早く帰れば」

「いや、あの。この問題だけ解いて帰ろうかなって…」

「解いてるヒマないだろ、お前。俺も自分の勉強したいし」

「…!」


驚くぐらい、冷たい声。


「なんで…そんなに怒ってるの?」


確かに説明聞いてなかった私が100%悪いよ?

悪いけど…湊介は、それだけで怒る人じゃない。

こんな冷たい声、私に向ける人じゃない。


「別に怒ってないけど」

「嘘だ!絶対怒ってる!!」

「怒ってない。思ってること言っただけ」

「今まで一回も言わなかったじゃん!自分の勉強したいから、とか!」