女子供は砂丘の向こうに消えた。

集落には、男は7人残った。

サンドラ、ゴート、俺、その他に若い男が4人だ。

女子供を見送ってから一晩が経っていた。

襲撃は、今夜だろうと思われた。

松明が消され、俺たちは決められた持ち場に散らばった。

「?」

俺は倉庫に一振りの大剣を見つけた。太くまっすぐで、余計な装飾はない。

柄を握ってみたが、かなり重い。

長さは俺の肩くらいまである。肉厚だし、重いのもうなずけた。

「よく見つけたな。それはわしが若いころ振り回していた得物じゃ。今はもう、体が衰えてなあ」

「止めとけ、止めとけ。それは俺ですら長時間振り続けることは無理だったんだぞ。お前はまだガキだ、持て余して返り討ちに遭うのが関の山だ」

ゴートが俺の手から大剣をもぎ取ろうとした。

俺はそれを振り払った。

「いい。使いたいんです」

ゴートはため息をついて、持ち場に戻っていった。

「やられても助けねえからな」

俺は返事をしなかった。