しばらく二人で走った。

男たちは追ってこないようだった。

俺はだんだんスピードを落として、やがて歩きだした。

メルがしくしく泣いている。

背中の傷が燃えるように熱い。

脈に合わせて生暖かいものが流れ出ている。

俺が歩くと血の足跡がついた。

空には白い満月が出ていた。

大きくて低いところにある。

俺たちは月と星の光を頼りに、砂丘をひたすら歩いた。