君の光と私の輝き。

加瀬くんが電車から降りる。
ドアが閉まると加瀬くんが笑顔で手を振ってくれたから、私も振り返す。

電車が発車すると加瀬くんがどんどん遠のいていく。

あれ?なんだろう?この気持ち。
胸がくすぐられるような。
あー、部活のしすぎて疲れてるんだ!
家に着いたらすぐに寝よう。

そんなことを考えていたら、家に着いた。
お母さんが作ってくれたご飯を食べ、お風呂に入って、すぐにベッドに飛び込む。
いつの間にか、深い眠りについていた。


次の日、教室に入ると加瀬くんに
「おはよう!小桜!」
といつもの明るい笑顔で言われた。
つられて私も笑顔になる。

「おはよう、加瀬くん」
満足したような顔で加瀬くんは、仲の良い男子たちのグループの方へ行った。

あ、またこの感じ。
胸がくすぐられるような感じ。
なんだろう?

ずっと考えていたら、部活の時間になった。
部活中もずっと考えていた。

緊張ではないし なんだろう?

ボーとしてると、遠くの方から
「あぶなーーーい!!」
という声が聞こえてきた。

なんだ?と思って前を向くとサッカーボールが遠くからすごい勢いで私に向かって飛んできた。

でも、私に避けるなどの反射神経もなく、、
飛んでくる一瞬で色んなことを考えた。

絶対たんこぶできるよなー
周りから見たらすごいまぬけだろうなー
紬ぐらいの運動神経があったら避けられたんだろうなー

だんだんと当たるのが怖くなっていったため思いっきり目を閉じた。

ドン! イタっ、、、


くない、、、?

え?と思いながら目を開けるとそこにはなんと加瀬くんの姿があった。

加瀬くんがサッカーボールから私を守ってくれたのだった。

「加瀬くん!!大丈夫?手痛くない?」

「大丈夫大丈夫!こんなのいつもの事だし」

「本当にごめんね、、、」
加瀬くんに迷惑をかけたことに申し訳なくなった。こんなんじゃマネージャー失格だよ。

「いや、小桜!こういう時は、ごめん じゃなくて、ありがとう だよ!俺もその方がうれしいからさ!」

太陽の光に照らされた加瀬くんの笑顔はとても輝いて見えた。

「うん、ありがとう」

「それで良し!じゃあ、続けよう!」

そう言うと加瀬くんは元にいた場所に戻っていった。

私の中で謎が解けた。
今まで感じていた気持ち、これはきっと恋だ。
加瀬くんに対する好きっていう気持ちだ。