それでも、恋


それから、電車に乗る別れ際に「よる、連絡するね」と一条くんが囁いた。



だからわたしは、おうちに着くまでも着いてからも、夜ごはんもお風呂もずーっとそわそわしていた。あまりにもスマホを気にしていたから、お母さんに怒られた。

寝るための支度を整えたら、リビングでテレビも観ずにまっすぐ部屋に戻った。落ち着かなくて、スマホが鳴るのを待ってしまう。

連絡って、なんだろう。電話かな?もしかして、わたしから電話かけたほうがいいのかな。何時だろ。なに話すのかな、話題かんがえておかなきゃだめ?

わたし、あんまり、友だちと電話したことないから緊張する。ああ、ちがうじゃん、一条くんは友だちじゃなくてかれしだもん。


そうしたら、ぴこん、メッセージの通知が鳴ったのでスマホに飛びついた。で、送信者がこっちゃんだったので、ごめんだけど、ちょっとがっかりした。