それでも、恋


放課後、わたしたちはコーヒーショップに寄って勉強することになった。


正確にいうと、一条くんに借りのあるわたしは彼にご馳走してあげなきゃいけないので、いっしょにコーヒーショップに行くことになった。


すると馬鹿代表の折口くんも「俺も行きたいな、コーヒー飲めないけど」とついてくることになり。こっちゃんまで「それならわたしも行きたいよ、紅茶のほうが好きだけど」とついてくることになった。

珈琲党の一条くんは無神経なふたりに思いっきり舌打ちを鳴らしていたけど、彼の不機嫌はよくあることなので誰も気にしない。

わたし、ひとりだけが、もしかして、わたしとふたりきりで行きたかったとか?なんて一瞬でも考えてみたりして。はいはい、自惚れもいいところだ。

このお店は、最初にメニューを見ながらレジで注文してそこで受け取るスタイルだ。よくあるファストフードのシステム。先に注文を終えた折口くんと、いま注文しているこっちゃんの後ろに並んでいるのがわたしと一条くん。