それでも、恋



バスに乗りこんだこっちゃんと
自転車で走っていった折口くんを見送って

わたしと一条くんは
ふたりきりで駅までの道のりを歩いていた



何も言わずに、ゆるり


一条くんがわたしの冷えた指先に
じぶんのそれを絡めてくる

それだけの仕草が
これまでの関係とのおおきな変化で

ふたつのハートのときめきが共鳴した