第1話『よろしくネ』

自分の部屋で、私は制服を着る

1年生の頃は部屋に籠りきりだった私が、新品の制服を纏うのだ

メイドの時雨(しぐれ)に見てもらい、見た目はオッケー

私はバッグとイヤホンを持って外へ出た











  



私が向かう場所は、東京ではとても有名な超名門校“私立櫻川学院”

表は有名芸能人や女優、俳優の娘息子達が通う誰もが憧れるような場所

正直、どこがいいのかわからないけど

歩いて数分

学院の校門を通り、そこからは3つの通路で分かれる

左から“初等科”、“中等科”、“高等科”

私は高等科なのでもちろん右の道を歩む

平凡に過ごせればそれでいい

なのに

モブ「あははっ!なにそれ草生えるんですけどー!」
モブ2「マジでヤバくない⁉︎」

モブ3「ねえー、今日教科書忘れちゃったから貸してくれない?お願いっ!」
モブ4「えー、仕方ないなぁ」

葵「……」

ヤバい、陽キャしかいない…

???「やぁやぁ水樹さん、こんにちは」

葵「……?」

声をかけてくれたのは、短くて綺麗な白い髪とハイライトのない黒い目

肌は色白くて、どうやら私と同じクラスの人のようだった

雪「私は保健委員の神崎雪。あなたと同じクラスだから、ぜひ仲良くしたいと思って」

葵「…中等科のときまで何も縁なんてなかったのに、突然だよね」

雪「まあそーなるかな。だけどだけども私はキミに興味があるってだけだから」

神崎さんはそういうと手を出して

雪「よろしくネ」

と不気味な笑みを浮かべて言った

葵「…よろしく」

私は握手を交わす

すると、遠くから大勢の女子の声が聞こえた___