涼は真っ赤な顔で、慌てて否定した。


「そ……そんなわけねぇだろっ!!」


「どうしたの?涼の顔、真っ赤だよ?図星だった?」


「うるさいっ!!」


「ちゃんとヤキモチ妬いてるなら、僕はヤキモチ妬いてます。って言えばいいじゃん」


「そいつどんな真面目な坊っちゃんキャラなんだよっ!!
俺はそんな話し方をしたことないし、全く妬いてないっ!!本気で怒るぞ?」


「はい。ごめんなさい」


渚は平静を装って謝りながらも、嬉しそうにニヤけた表情が止まらなかった。


なんか可愛い……。


本当に妬いてたりする……?


私の事を好きかどうかは別にして……


いつも一緒にいる親友だったとしても、あんなにデレデレしてたら、妬いちゃうかもね……


涼がもしアイドルの人と、あんな事をしてたら、私はショックを受けちゃうかな……?


これからは気を付けるね……


こんな二人の男と過ごす渚の夏休み。

浮かれてしまうのは当然。

バスの窓から流れていく景色を見ながら、こんな事を考えていた。


きっと……


人生で最高の夏休みになる……


そんな予感がする……