次の撮影シーンは、紫音から渚への告白。

花火が上がり出すと、撮影が始まる為に、ざわつくスタッフ達。


渚も緊張と同時に、気合いが入ってくる。


「今は悩んじゃダメっ!!
がんばろうっ!!」


ヒューン


バンッ


3……2……1……


監督が秒読みを始めて、撮影が始まった。

大きな花火が打ち上がる中、渚と紫音が二人きりの川辺を歩き始めた。



「俺……この町に来て、1ヶ月が過ぎたんだね?」


「もうそんなになるんだ?
どう?芸能界の仕事は忙しい?」


「まぁね。都会にいると疲れるけど、ここにいると落ち着くんだ」


「そっか。この町に来たから、こうして花火も見られるし。
あの花火……綺麗だね?」


「本当に綺麗。芸能界にいると、ゆっくり花火が見られるなんて思わなかったよ」


「一緒に見られて良かったね?涼と舞も一緒に見られたら良かったのに……
どこに行っちゃったんだろう……」


「本当にどこに行ったんだろうね?」


「ちょっと探してくるっ!!」


渚が後ろを振り返って、探しに行こうとした時、紫音が手首を掴んで引き留めた。


「二人で見ていたいんだけど……ダメかな?」


「えっ………?」