しばらく歩いていると、渚は射的の露店を見つけた。
棚にぬいぐるみやお菓子が並んでいて、銃で景品を撃ち落とすと、その景品が貰えるという遊び。
「紫音っ!!射的があるよ~。」
楽しそうに小走りで露店に寄って、手招きしている渚を見ていると、ほのぼのした気分になる紫音。
「慌てたら人にぶつかるよ?」
「はーい。気を付けまーすっ」
はしゃいでいる渚は、紫音との会話に夢中のまま、台に上半身を乗り上げて、景品選びをしていた。
「どれがいいかな~?」
「渚はぬいぐるみとか好き?」
「はいっ!!家に可愛いぬいぐるみ、いっぱいあるんです。
ベッドでぬいぐるみを抱いて、一緒に寝てるんですよ~」
「ぬいぐるみ抱いて寝てるとか、渚っぽいや」
「えへへ。紫音は何か集めてるものって………あっ……」
ふと渚が横を見ると、涼が射的をしていた。


