渚が幼稚園の頃の続き~~~~~~


男子達がカードを引く順番になり、涼は王子様になる気満々。


「よぉしっ!!僕も王子様になるぞ~」


「うん。一緒にやろうね?」


カッコよく渚を守った事もあり、張り切ってカードを引いたが、結果は…


カボチャの馬車を引く馬の役。


「えーっ!!馬なんてやだよ……」


半べそをかいて、後ろに下がってきた涼に声をかける渚も残念そう。


一緒に王子様とお姫様がしたかったのだから。



「王子様になれなくて残念だったね……?」


「馬なんてカッコ悪いからやりたくないよ……」


完全に拗ねてしまった涼は、教室の隅で体育座りして、顔を膝に埋めてしまう。


今にも泣きそうな涼を見て、渚はすぐに駆け寄った。


「涼くん。お馬さんだってカッコいいよ?ヒヒーンって」


「………全然カッコよくないよ……」


「ほらっ!!白馬に乗った王子様とかさ?」


「王子様がカッコいいんじゃん……それって……」


涼がやる気を出すように、かっこいい馬の話をしようとしても、渚は何も思い浮かばない。



「ん~?
う~ん………
う~ん…………
あっ!!日曜日のお昼にテレビに出られるかも?ほらっ。馬が走るやつ」


渚は競馬中継の話をしているのであって、当然出られるはずなどない。


「もういいよ……」


さっきはカッコよかった涼は一変してグズりだし、渚のフォローなど聞く耳を持たない様子だった。