4人が校舎の前に到着すると、2階の一番端にある職員室の電気がまだついていた。

先生が何かしてるんだろう。

見つかると当然怒られてしまう。

そこで涼は、こんな提案をした。


「じゃんけんで負けた奴が、一人で職員室を見に行くことにしようぜ~」


クラスメイト二人も乗り気で、渚だけひとりぼっち。

仕方なくじゃんけんをして、負けたのは渚。



「えーっ。だから嫌だったのに。先生に怒られるのやだよ」


「あははっ!!負けたんだから行けよ?」


渚は仕方なく落ち込みながらも、校舎に向かっていく。

真っ暗な校舎に入ると、涼がトイレに行くと言って、渚を追いかけた。

映画の役の涼は高校に入学して、すぐに渚に一目惚れして、この肝試しを企画した時から、告白するつもりだったのだ。


「渚に告白するんだ。勇気を出せ。俺」


台詞を言いながら、パンパンと顔を叩くと、台本の涼に感心する奥手な本物の涼。


本当にそうだよなぁ……


好きなら告白しなきゃ伝わらないよな……


俺は……


まだ勇気が出ないんだよ……