「一束、1ドルです。誰かいりませんか?」 

わたしは、一生懸命売ろうとするけど誰も買ってくれない。 

「いいや。いらないな。」 

それから日が沈むまで売り込みをしたが、一束も売れなかった。

今日も、売れないと思って片付けをはじめると、

「一束もらえるかな?」

「えっ、」

手を止めてふりかえると、そこには、とても身なりの良い青年が立っていた。

急いで花を渡す。 

「ありがとう。」

そういってわたしに、何か握らせて去っていった。 

「え、指輪?」

わたしの手のなかにあったのは、一つの指輪だった。

「カット」