コンプレックスから始まる恋



バタン


「茜…もしかして…」

遥は気づいたみたいだ。


「うん...ばれちゃったの高校生だってこと。」

「そっか...偶然ってこと?」

「うん...空と沙月と勉強した帰りに...」

「そっか...それでどうするの?」

「明日会うことになってるの。迎えに来てくれるって」


「そっか、明日会うんだね。修二がね戸崎さんのことみんなが心配してるって言ってた。あのミスを許さない仕事の鬼がここ1週間ミス続きでどうしたんだって部署内だけじゃなくて、会社でちょっとした騒ぎになっているらしいの。」


私のせいだ...


「どうしよう...私のせいだ...」


「茜、泣いちゃダメ。確かに嘘をついてた茜が悪い。でも茜はそれが一番だって思ったんでしょ?」


うん...


嫌われるのが怖くて


離れていくのが怖くて


本当のことを言えなかった


自分のことしか結局考えていなかった...



戸崎さん...




ごめんなさい