それから少し遅いお昼ご飯を二人で食べた。
戸崎さんが作ってくれた。
「戸崎さん、おいしいです!」
「良かった。」
「そういえば茜、何年だ?」
「えっと、3年です」
「じゃあ受験生か…」
「はい…」
「進路は決まってるのか?」
「まだ絞れてないんですけどいくつか候補は決まりました。」
絞れてないのにはわけがある。
行きたいところは少し遠い…
行くとすれば確実に一人暮らしになる…
戸崎さんとも遠距離になってしまう。
そう考えるとなかなか希望に沿うところが見つけられないのだ。
「そうか、何か手伝えることがあったら言ってくれ。」
「はい。」
少し戸崎さんの言葉遣いが変わった。
きっと素を見せてくれているんだと思う。
