君色を探して



『見た目で決まる訳ないだろう』


確かにロイは綺麗な顔立ちをしている。
これも彼は知らないだろうが、母譲りだ。
父が本当は溺愛していた、あのひとの。


『……そうかな。世の中、そんなものじゃない』


夢のようなことを願いながら、そんな冷めたことを言うロイにこっそり息を吐いた。


『結局、誰かの名前を挙げなくてはいけないだけだ。それが女の王だろうと、女顔の王だろうと変わるものか。要は志の問題だ』

『正しいと思うよ。奇麗事だとも思うけどね』


吐き捨てられた言葉は、彼のこれまでの待遇を物語っている。
正論を口にしながら、アルフレッドもまた弟の言い分を苦しいほど理解できた。


『証明してよ、アル。僕の分まで』


言われずとも、変えてみせる。
帰ってきた弟が語った、あの森の出来事。
それはまるで天界のようにも感じられたけれど、それではいけない。

あたたかな陽も、爽やかな風も。
こんこんと湧く泉も。
この地上にあるすべてのものが、必要としているのだから。

その為にはそれを目にしたロイが不可欠で、彼となら実現できるかもとすら思うのだ。
たとえ二人の他は誰もが、寝言のようだと述べたとしても。


『ああ。たとえ私の方が可愛らしい見目だったとしても、きっとお前はそうして拗ねているぞ』


――証明してやるから、お前もそこにいろ。



この、ただの椅子に。