君色を探して



・・・



アルフレッドは辟易していた。
まだ大人というには足りない歳の自分に、男も女もすり寄ってくる。
言葉や態度は丁寧だが、敬う気持ちなど微塵もない。


(傀儡か木偶か)


どちらにせよ、虚しかった。
いくら嫌がっても、自棄になっても何も変わらない。

意味がないのだ。


『あ、アルバー……』


何の気なしに廊下を歩いていると、向こうから弟がこちらへ向かっていた。
しかし、一歩早く彼の方が先に気づいて、小さな影に逃げられる。

歳の離れた、可愛い弟。
昔は、困るくらい側にいたのに。
それもこれも、この特殊な広い籠のせいだ。
自分たちを閉じ込める、だだっ広いけれども強固な鍵を掛けたこの籠。

避けられているのは知っていた。
自分との扱いの差が大きいことも。
優しい言葉は憐れみに聞こえるだろうから、何も言ってあげられない。
そもそも口下手なアルフレッドには、どうしたら弟の心を軽くできるのか分からなかった。


それから暫くして。


(……それにしても、姿を見ないな)


あれから一度もアルバートを見かけていない。
けして好かれていないといえど、こうも会えないと不安になる。
具合でも悪いのだろうか、まさか危険な目に遭っていないか。
そういえば、父も気を抜くなと言っていたではないか。