君色を探して



《だから、現実だって言ってるのに。信じてもらえないかなぁ》


(……っ!? )


せっかく無理矢理夢だと納得しかけていたのに、また頭の中で声が聞こえた。


(現実って……じゃあ、オーリー様はどこにいるの? )


結局、自分はここから一歩も動いていなかったのだろうか。
それを現実と呼ぶなら、オーリーはどこへ消えた?


《ふふ。ボクの居場所より、あの子が気になるんだ? 寂しいったらないよ》


言葉とは逆に、楽しそうに言われてしまった。
それはもちろん、マロにだって会いたいのだが。


《どこって、それはね……》



「皆様、お疲れさまでした。ニール様も……お加減が悪いと聞きましたが大丈夫ですか? 」


聞きつけたのか、エミリアが水を持ってやって来た。


「す、すみません……大丈夫です」


王妃様にそんなことをさせるとは。
しきりに恐縮するニールをよそに、エミリアは意に介さず世話を焼いてくれようとする。


「……エミリア。あまり、はしゃがないでくれ。周りがヒヤヒヤする」


妊娠中の妻の様子に気が気ではないのか、アルフレッドの方が悪阻に悩むかのような顔色だ。


「これはこれは、面白いものが見れた。しかし、楽しみだな。名前はもう決まっているのか」

「そうですね。いくつか候補はあるのですが、まだ決めきれなくて。それに、男の子か女の子かでまた悩みますわ」


――夢じゃない。現実だよ。


「……お……女の子だと思います……っ!!! 」