・・・



「似合ってたよ。本当に……誰にも見せたくないくらい」


髪を梳かれ、彼を見上げた。
ロイの髪は、いつも羨ましいくらいサラサラだ。
こうして一緒に横になっていても、寝癖のひとつもついていない。
髪質を交換してほしいなと思うのに、こうして撫でられているとその都度、まあいいかと思い直すのだ。


「ありがとう」


突然のお礼に首を傾げた。
特段、お礼を言われることはしていないのに。


「頑張ってくれて、ずっと待ってくれて……僕を受け入れてくれて」


囁くというには、少し強い。
そっとというには、痺れるほど啄まれた。


「ありがとう、ジェイダ」


振り向くと、そこには大好きな色があった。
金色の髪も、彼がいない時すら捕らえて離さないアイスブルーも。

何より――……。


「大好き」


胸に頬をくっつけ、ロイの存在を感じていたい。


(……やっぱり)


彼を見上げたら、しがみついてしまう。
離さないと約束してくれたのは彼の方なのに、言われなくてもしっかり抱きついたままなのだ。


「うん。……ずっと一緒」


女だって同じだ。
触れ合っていると、当然ながら嬉しい。
多分ずっと、夢見ていたのだ。
ただ、ストレートに伝えることができないだけで。