君色を探して



『絶対にもうすぐ』


その日は近づいてきている。
だって、こんなに心地いい風が吹くのだから。


『ロイ……』


そっちはどう?
少しは暖かくなった?

二人で喧嘩しながらも、一緒に座ったあの椅子。
いつかまた、並んで腰掛けることができたら。
今度はきっと、寒さに凍えることもないのかも。


『逢いたいよ』


もしも、まだ少しくらい寒くたって。
今なら言い合いなんかせずに、最初から身を寄せ合って座ることができるから。


『逢いたいに決まってる』


本当を言うと、その口喧嘩すらも懐かしく恋い焦がれてしまうくらい。

――寂しいの。



『痛……』


青空が目に滲みた。
じんじんと痛んで、目を瞑ってしまいたいのに。
ジェイダの黒い瞳は、呆れるくらい青色を欲していた。


『もう少し薄い色で、もっと澄んでいて』


優しくて、あったかくて。
ドキドキさせて翻弄されて――なのに、ほっとするアイスブルー。


『馬鹿だ』


そんな色、他にはない。
色合いはともかく、ドキドキする色を他で探すこと自体おかしいのだ。
このぽっかり空いた心を埋めることができるのは、拐いにくると言ってくれたあの王子様だけ。