照れてしまって気づく。
こういう感情は久しぶりだ。
男が多い環境にいたからか、また守るべき対象でもあったからか。
恋愛なんて縁遠いものだったのだ。


(こんなところにも、変化はあるのね)


ジェイダやロイの想い。
心の奥底にあって、見えなかったのかもしれない皆の願い。


それがこうして届かなければ、こんなとりとめのない会話をすることもできなかった。


「とにかく!その時がきたら、私にもお祝いさせてね。勝手かもしれないけど……ジンは私にとって大切な存在だから」


(……私も)


ぽんぽんと頭を叩く。
妹のような、大切な友人。


(当初は、どうなることかと思っていたけれど)


本当にお疲れさま。
この子がこの先、幸せな道を辿りますように。


「ありがと。でもその前に、ジェイダの花嫁姿を見届けないとね。私は……」


真っ赤になる彼女に笑いながら、ほんの少し先の未来を想像して。


「バージニア。今のところ、そう呼ばれてもいいのは貴女くらいよ」


『ジーニー。貴女にも』


(ええ。今のところは、ね)





【Virginia(Gin)・終】