君色を探して


ちょこんと膝に乗ったリス。
気のせいか、片手を挙げたように見えるのは目がおかしいのか頭がどうにかなったのか。


《や、初めまして。ボクはマロ。可愛い森の大聖霊だよ》


おまけにそんなことが聞こえるのだから、やはり頭の方かもしれない。


(……ついに、か……。ここで壊れる訳にはいかないんだけどな)


ここ最近、特に頭を悩ませることが多かった。
強硬派と穏健派の論争は激化しているし、この異常な寒波への対策も追いついていない。
生活が苦しくなれば誰の考えも乱暴になりやすく、改革を求める方向へ流されがちだ。


(……本当に、そんな場合じゃないんだ。僕たちは)

《……そう、その通りだよ》


キンと鳴るようだった声が、低く同意した。
それがあまりに厳かで凄みがあり、小さなリスを二度見してしまう。


《キミたちの国だけじゃない。ほんのすぐ隣で、辛い思いをしたひとが……今にも犠牲になりそうな女の子がいるんだ》

『女の子……? 』


限定した言い方に、思わず声が出た。
動物相手に話しかけたようでばつが悪かったが、そんなことはお構いなしにリス――マロは語る。


《うん、本当に普通の……ただの女の子》


――クルルの乙女なんて、勝手に名前をつけられたね。