君色を探して





・・・



『はぁ……』


痛かった。
本当に、兄はぼけっとしているようでよく見ている。


(……昔からそうか)


無関心のように見えて、ずっと心配してくれていた。
小さなことで愚図っている間に、彼は大局を見据えている。
そういうところも、王様向きなのだ。


『あー、もう……』


思考が子供の頃のアルバート王子のままだ。
情けなくてやりきれなくて、ロイはどかっと腰を下ろした。樹の幹に寄りかかり、木漏れ日を仰ぐ。
禁断だと言うわりには、ここは今日も穏やかに迎えてくれた。

暖かな気候にきつく着込んだ服を緩めると、自らの胸元が目に入る。


(ロドニーは逞しかったな)


遊び回って汗を掻いたり、土だらけになったり。
どれもあの頃のロイには新鮮で、単純だけれど最高に楽しかった。
今はもう自分がひ弱だとは思わないが、それにしてもロドニーは心身ともに大きな存在だったのだ。

目を閉じると、柔らかな風が包み込んでくれる。


(……どうか、どうか元気でいて)


《ロイ》


うつらうつら、舟を漕いでいた。
気持ちよくて、このまま夢に浸っていたい。
今、現実で会うのが無理なら、せめてあの頃の夢を見たまま――……。


《ロイってば。……そこの眠れるお姫様、起きて! 》