ゆらゆら、ガタンガタン。



電車にゆられて、まどから見えるけしきがどんどんかわっていく。


高いビルがいっぱいの町から、緑が多くなってきて。


こんな感じだったっけなぁ、なんて、古いきおくをよびおこす。


あんなにねたのに、なぜか目をとじているかおるちゃん。



「 お前どんだけ寝んだよ 」


「 寝てないし、瞑想だし 」


「 なにそれ…? 」


「 何のための瞑想なんだ一体… 」



新大につっこまれてもなお、修行みたいなことをしてるかおるちゃんは無視することにした。



電車をなんこか乗りかえて、ときどき歩いて。


持ってきたおかしなんか食べながら、いつもみたいにお話して、わらって。



「 ……海っ! 」


「 やっと着いたー!なーんか意外と早く着いたね 」


「 そーかなぁ? 」


「 子どもの頃とは感覚が違うんだろ、そしてまだ着いてない。歩け 」


「 あーい 」



遠くからでも海が見える。


わたしたちは改札を通って、駅を出た。