「ひゃっほー!!空気が澄みわたっていて気持ちいい!!」
一葉は両手を広げながら緑いっぱいの草原をさっそうと走り回る。
一面に広がる大自然を前にはしゃぎまわる生徒たち。都会育ちの子供達には新鮮でたまらないだろう。
「うわぁ!思ったより高いねぇ!」
三咲が並走する馬に乗っている二花に話しかける。
「そ、そうだねぇ……」
明らかに様子がおかしい。先ほどまでのはしゃいだ顔とは打って変わって、顔じゅう真っ青になっている。
この後どうしよう……
タイミングはいつ?
場所はどこ?
一言目は?
三咲と二花の後ろを走る栗毛馬の上で、美穂はこの後に待ち構えているビッグイベントをどうやって成功させるか入念にシミュレーションを行っていた。

