久遠の果てで、あの約束を。

「優希ちゃんの気持ち、ちょっとわかるな」


やがて、うつむき加減でそう言った。


「私も、今の優希ちゃんみたいに大事な選択を間違えたり、そのせいで誰かを傷つけたことは沢山ある。けどね……」


顔を上げた宮野さんの笑顔が、ゆっくりと深くなっていく。



「間違えたって、また何度でもやり直せるよ」



無性に泣きたい気持ちになって、ずっと張りつめていたものがふわりと和らいだ。


そうだ。間違えたって、まだやり直すチャンスがある。

ずっと明けないままの夜を、自分で取り戻した光で照らすことだってできる。

どうして、今まで気がつかなかったんだろう。


「ありがとう。恵理ちゃん」


彼女を、初めて下の名前で呼んだ。今までだって呼ぶ機会は沢山あったはずなのに、何故だかずっと苗字で呼んでいた。

目の前の少女は何度か目をぱちくりさせた後、嬉しそうに花笑みを浮かべる。


「どういたしまして」

その微笑みは、やっぱり天使みたいだった。



そして、一瞬だけ意地悪な小悪魔に豹変した彼女は、


「キャラメルラテ、優希ちゃんの奢りだからね」


とつけ足した。