久遠の果てで、あの約束を。

「馬鹿、ああいうのは後でスタッフが美味しく頂くんだよ。料理部の子が作ったんだから、見た目はグロくても味はいけるだろ」

「異様にクオリティ高いよねこれ。どうやって作ったんだろう」


なんでもないことのように、会話は流れるように進んでいく。もしあのとき電話していれば、今渚の隣で笑っていたのは私だったのかもしれない。いや、変にしくじって関係をこじらせるよりは、こっちの方がまだマシだ。


そうやって誰に対してでもない言い訳をしている自分が、なんだか虚しい。


特にするべき作業もなく、前日準備に勤しむ他クラスの生徒への罪悪感と若干の優越感を残しつつ、今日はもう解散になった。ぞろぞろとクラスメートが帰っていく。

私も家に帰ろうとしたら、後ろから肩を叩かれた。

既視感を覚えつつ振り返る。なにも行動を起こさない私に痺れを切らした篠原が犯人なのかと思ったけれど、そこにいたのは予想とは全く違う人だった。


「この後って予定ある?」


そう言って微笑む宮野さんは、しがらみから開放されたかのようにすっきりとしていた。