久遠の果てで、あの約束を。

「はぁ……」

地面の緑色を撫でながら、数十分前の出来事を思い返す。



ーーずっと前から好きでしたーーっ。


ーーでも俺、他に好きな人がいるから。



頭の中でふたつの言葉が走馬灯みたいに駆け巡って、抉られるように胸が痛む。


渚の好きな人って、どんな女の子なんだろう。

その心の中にいるのは、どんな女の子なんだろう。


あの宮野さんが振られたんだから、きっともの凄く素敵な人なんだろうなぁ。


きっと、私とは比べものにならないくらいーー。



そう思うと体中に涙の味が広がって、膝に顔を埋めて少しだけ泣いた。