矢継ぎ早に質問を重ねてくるクラスメートに辟易としつつも、鼓動の方は馬鹿みたいに高鳴ってる。


私が渚と一緒に夏祭りに言ったと知ったら、彼女は一体どんな反応をするのだろう。


視線だけで他の女子達に助けを求めても、にやにやして回答を待っていたり、逆になにかを思案するように俯いていたりと、誰一人として救いの手を差し伸べてくれない。



「そんなんじゃないって。見間違いじゃない?」


自分でなんとかするしかないので、机の横にかけていた鞄を取ってどうにか取り繕う。

扉に手をかけても、追求の矢は止まらない。


「本当にー?誰にも言わないからさー」


黄昏時の、蜂蜜みたいな光に照らされたしたり顔が何故か渚を連想させて、後ろめたさに背を向けるように振り返る。



「本当にそんなんじゃないから」



女の子はまだ疑っていたみたいだけど、また追求される前にさっさと教室を後にした。