久遠の果てで、あの約束を。

そうして祭囃子の夜は更けていき、ちくちくとしま胸の内で、後悔と自責の色が段々と強くなっていった。



窮屈な帯に痛む足元。片方だけ浴衣の男女。わざわざなれない着物を着て、私だけがはしゃいでいるみたいで恥ずかしい。


浴衣姿だって、まだ渚に褒められていない。


いや、別に褒められたかったとかじゃないし。浴衣だって私が着てみたかっただけで、渚のために着てきた訳じゃないしと、一人で強がって言い訳して落ち込んで。

肝心の渚を楽しませるという目的だって、全然達成できていなくて。



私にとっても渚にとっても、この時間は無駄なのかな。


残り少ない渚の時間を、私が奪っちゃったのかな。


……渚にとって、私っているのかな。



前にショッピングモールに出かけたときは、こんな思いはしなかった。


楽しくて嬉しくて幸せで、絶対に忘れたくないと心から願った一日だった。


そういえば、このお祭りも事前に約束をしたから、一応は二度目のデートということになる。


二度目のデートがこんなにも切ないのは、夏祭りのせいか、私のせいか。



きっと、私のせいなんだろうなぁ。

どうして、こうなっちゃったんだろう。

本当は、こんなはずじゃなかったのに。



闇夜を照らす提灯のぼんやりとした朱の灯りと、ひしめき合う人の群れから、ぽつりと隔離されたような疎外感。


二人で来ているはずなのに、なんだかひとりぼっちみたい。



周りには当然ながら浴衣姿のカップルもいて、彼氏も彼女も幸せそう。


ここには掃いて捨てられるほど人がいるのに、俯き加減でとぼとぼと歩いている人は私以外に一人もいない。