久遠の果てで、あの約束を。

翌日。


清明に咲く睡蓮や気品ある牡丹が風鈴の音と調和する頃、私は一人、鏡とにらめっこをしていた。


「これで大丈夫だよね……」

散々悩んだ末に選んだのは、白い膝丈のレースワンピ。その上には淡い色のデニムシャツを羽織って、裾をウエストの前あたりで結んでいる。

髪はポニーテールに結って、銀色のハートのネックレスをつけてみた。普段はしないメイクも、ほんのちょっとだけ頑張った。

あまり意識し過ぎてから回るのも恥ずかしいので、これくらいでちょうどいい。はず。


それなのにこんなに浮かれてしまうのは、他の遊び相手じゃなくて私を選んでくれたのが嬉しかったから。


最後にくるりと回って全身をチェックしてから家を出て、待ち合わせ場所の駅前に向かう。

相変わらず彼は待ち合わせ十分前には来ていて、すぐに私を見つけて駆け寄ってきてくれた。


「ごめんね、待った?」

「ううん、全然」


そのまま二人で電車に乗って、隣街のショッピングモールに向かった。

三駅しか違わないはずなのに、隣街は凄く都会に見える。


「何処から行こうか?」

「俺クレープ食べたい」

「いいよ」


渚って甘いもの好きなんだ、ちょっと以外。