久遠の果てで、あの約束を。

五時間目の授業は体育だった。



軽くウォーミングアップをした後に男女別の二チームに分かれて、バスケットボールの試合を行う。

セミロングの黒髪をポニーテールに纏めて、無駄にどんよりした曇り空のせいかやけに安っぽく見える蛍光灯の光が照らすコート内を、縦横無尽に駆け回る。


バスケ部には遠く及ばないけれど、何気にスポーツの中ではバスケが一番得意だったりする。

同じチームの子からパスが回ってきたので、ドリブルをしながらゴールめがけて走る。手のひらにボールが吸いついてくる。

スリーポイントラインを越えて二歩目で踏み切ると身体が宙に浮いて、ゴールネットが音もなく揺れた。

と、そこで、試合終了の笛が鳴る。


「ねぇ、次って男子の試合だよね」

「神崎くんバスケ上手いから楽しみー」


クラスの中心にいるような派手な女子が、ひそひそと話す声が聞こえる。


本人た 達は声を潜めているつもりなのだろうが、人二人分のスペースを開けて座っていた私の耳にはばっちり届いた。

なんとなく気になって、壁際で休憩を取りながら観戦する。