久遠の果てで、あの約束を。

優希へ



久しぶり。

優希がこの手紙を開くのは、俺が死んでから何年後になるのかな? 五年後? それとも十年後?

どっちにしろ、俺はもう君の隣にはいないんだろうね。

ごめんね、一人にして。

ずっと一緒にいるって約束してくれたのに、破ったのは俺だった。

今だから言えることだけど、俺はこの一年間、もの凄く幸せで、辛かった。

俺が見ることのできない未来を、どうして優希は見ることができるんだろうって、君を恨んだこともあった。

責めてる訳じゃないよ。ただの八つ当たり。

ありがとう、俺を救ってくれて。

不安も恐怖も、優希といる間だけは忘れられた。

もしかしたらこの先、優希と笑い合える未来が来るんじゃないかとさえ思えた。

俺にとっての優希は、優しい希望でした。

ひとつだけ質問してもいいですか?

初めて逢ったときに交わした約束を、君はまだ憶えていますか?

もし憶えていると言ってくれるのなら、もう一度約束させてください。

歳月が巡って、また生まれ変わることができたなら、そのときは、絶対に君を見つけます。

今度こそは、ずっと傍にいると約束します。

だから、それまで待っていてくれませんか?

最後にひとつだけ。

幸せになってください。

それが、俺の願いです。



神崎 渚


追伸

ずっと前から好きでした。