約束の日、流れ星が降る夜。渚が死んでしまったことが、もう二度と逢えないことがどうしようもなく悲しくて、辛くて、寂しくて、夜空を瞬く星影から目を背けるように、ごちゃ混ぜな感情を胸に抱きながら一人毛布を被って泣いた。

それから残りの三学期は一切学校に行くことはせず、カーテンを閉め切った部屋の隅で膝を抱えて過ごしていた。


渚の机に花が飾られているのなんて、見たくなかった。


鈍い感傷が、私を襲う。

ふっと小さく笑ってから、さっき買った白百合の花を墓前に供える。

なめらかな艶のある花弁と鼻腔をくすぐる濃密な蜜の香りは最初に買ったときから変わらず、これが死者に手向ける花なのだと教えてくれる。


毎年のことながら、切なさに胸が締めつけられる。


一年目、初めてここに来たときはまだ気持ちの整理がついておらず、銀色のリボンと透明なセロファンに包まれた一本きりの花束を、無造作に放り投げたんだっけ。



ーー嘘つき。



そう、一言だけ残して。