久遠の果てで、あの約束を。

どんな言葉をかければいいのか。どんな言葉をかけるべきなのか。ちらりと脳裏を過ぎったのは、藍色の夜に散らばる、最上級の宝石を砕いたような星躔だった。



「明日、流れ星が見えるんだって」



考えるよりも先に口から紡がれたのは、弱気になっている彼と同じ、突拍子もない台詞だった。


ゆっくりと、渚に笑いかける。



「だから、二人で見に行こう?」


ずっと、心の何処かで諦めていた。

この結末は避けられないのだと。

運命が綴る物語を演じるために、与えられた舞台の上を踊り続けるしかないのだと。

そうしているうちに、すぐ傍の明日さえ信じられなくなってしまっていた。

それにようやく気がついて、そっと小指を差し出した。

たとえこの世界に永遠があろうとなかろうと、一度信じてさえしまえば、少なくとも私達の中では明日は存在するものとなる。


それが、私の答えだ。


渚にもそれは伝わったらしい。脱力したように笑って、自分の小指を私のに絡めた。