そう、あれもこれも、全部お母さんのおかげだ。
お母さんの実家がここにあったから、あの男の子と出逢うことができた。
お母さんが勉強する習慣を身につけさせてくれたから、渚のいるあの高校に入学することができた。
お母さんが毎年プレゼントを用意してくれていたから、クリスマスを嫌いにならなかった。
お母さんが私を産んでくれたから、私は今ここにいる。
「お願いだから、否定するようなこと言わないで。お母さんがそんなこと言ったら、私まで悲しくなってくる」
お行儀が悪いとは思いながらも、お母さんに抱きついた。お母さんは私を咎めずに、それどころかもっと力を入れて私を抱き締めた。こんな風に誰かに甘えるのは、一体いつぶりのことだろう。
「ありがとうっ……。優希はやっぱり、とっても優しい子ね」
名前の由来。なんで優希という名前にしたのか。昔話したと思うんだけど憶えてる? と訊かれて、ふふっと思わず笑みがこぼれた。
「憶えてるよ。〝優しい希望〟でしょ?」
散々二人で泣いて笑って、ぎゅうぎゅうと抱き合ってからようやく、本当の親子になれた気がした。
お母さんの実家がここにあったから、あの男の子と出逢うことができた。
お母さんが勉強する習慣を身につけさせてくれたから、渚のいるあの高校に入学することができた。
お母さんが毎年プレゼントを用意してくれていたから、クリスマスを嫌いにならなかった。
お母さんが私を産んでくれたから、私は今ここにいる。
「お願いだから、否定するようなこと言わないで。お母さんがそんなこと言ったら、私まで悲しくなってくる」
お行儀が悪いとは思いながらも、お母さんに抱きついた。お母さんは私を咎めずに、それどころかもっと力を入れて私を抱き締めた。こんな風に誰かに甘えるのは、一体いつぶりのことだろう。
「ありがとうっ……。優希はやっぱり、とっても優しい子ね」
名前の由来。なんで優希という名前にしたのか。昔話したと思うんだけど憶えてる? と訊かれて、ふふっと思わず笑みがこぼれた。
「憶えてるよ。〝優しい希望〟でしょ?」
散々二人で泣いて笑って、ぎゅうぎゅうと抱き合ってからようやく、本当の親子になれた気がした。

